株式会社カイノス

現代医療に必要不可欠な体外診断用医薬品のパイオニアとして、高品質な製品を開発し安定供給する。

世界初の酵素法による検査薬を開発した臨床検査試薬のパイオニア

株式会社カイノス(以下、カイノス)は、薬剤師であり早くから検査分野に注目していた杉山 茂 氏(故人)により、日本国内で検査薬を開発・製造するために、1975年(昭和50年)に株式会社ドムスヤトロンとして設立されました。当時は国産の検査薬は少なく、主に海外製品が使用されていましたが、1985年の薬事法改正で医薬品化された以降、国内でも臨床検査試薬(体外診断用医薬品)として認知されるようになりました。

1975年7月に現社名カイノスに商号を変更し、当時バイオサイエンス(バイオ)1のはしりであった酵素を利用した新しい方法、“酵素法”による生化学項目の検査薬である、血清トランスアミナーゼ2、リン脂質3、コリンエステラーゼ4の測定試薬を世界で始めて世に送り出しました。醸造会社が生産する日本酒や醤油等の製造副産物である酵素は、現在では洗剤や健康食品にも応用されていますが、バイオの商業化としては、検査分野が一番早かったと言えます。

カイノスの社名は、ギリシャ語の「革新的な」を意味する“καινσζ”に由来しており、いつまでも新鮮な気持ちで広い視野を持ち、医療の世界へ貢献していきたいという想いが込められています。この精神に則り、臨床検査試薬のパイオニアとして、国内の病院や検査機関を主な取引先として堅調に事業を展開しており、現在ではグリフォルス社(スペイン)の輸血検査用装置と試薬を取り扱うなど、国内外の企業とも幅広く協業・連携しています。

  • 1 バイオサイエンス(バイオ):微生物、植物、動物などの示す様々な生命現象について、化学的、生物学的、工学的手法を用いて分子レベルで解明し、その成果を広く人類の生存に役立てようとする研究分野のこと。
  • 2 血清トランスアミナーゼ:アミノ酸とα-ケト酸の間の反応を触媒するアミノ基転移酵素。細胞内にあり、細胞障害等で血液中に流失したこれら酵素(逸脱酵素)の血中濃度を測定することによって臓器が障害を受けていないかを推測する。
  • 3 リン脂質:細胞膜を形成する主な成分で、体内で脂肪が運搬・貯蔵される際に、タンパク質と結びつける役割を持つ。リポ蛋白は主に肝臓のミクロソームで産生されるため、血中のリン脂質量は間接的に肝機能状態を反映し、血中のリン脂質濃度は種々のリポ蛋白代謝異常や肝胆道疾患などの診断に利用されている。
  • 4 コリンエステラーゼ(ChE):ChEは肝臓で合成される酵素で、その活性低下は肝臓の合成能力が低下し肝機能障害が疑われる。

高度な現代医療に対応、診断を補助する医薬品“体外診断用医薬品”

現代医療において、体外診断用医薬品(体外診断薬)や医療機器を使用する臨床検査は、医師による診断を補助するものとして非常に重要な役割を果たしており、その検査項目は多岐にわたっています。体外診断薬は、血液や尿などの検体中の物質-タンパクや脂質の濃度及び酵素活性などを測定する事で、病気の診断に利用されています。

カイノスでは、独創的な製品を研究開発・製品化するため、医療業界のニーズや市場動向をキャッチし、全国の大学や国内医薬品メーカー等と柔軟に共同研究や技術提携を行う独自の開発体制を整えています。また、既存製品の積極的な改良・改善を行い、常に品質の差別化を図っています。その中で、カイノスの主力となる分野は、肝臓・腎臓・膵臓に特異性のある項目、具体的には腎機能を調べるクレアチニン5や尿素窒素、肝機能の指標となる総タンパク質やアルブミン6検査であり、これらの国内シェアはトップレベルにあります。さらに、良質な製品を安定して供給するための品質システムである、ISO9001(品質管理)及びISO13485(医療機器、体外診断用医薬品)の認証を取得しており、一部は国内のQMS基準7以上に要求事項が厳しい米国QSR基準への対応も進めています。

  • 5 クレアニチン:筋肉細胞内で産生される最終代謝産物で、腎臓の糸球体でろ過され尿中に排泄される。腎臓の機能が低下すると尿中に排泄される量が減少し、腎臓機能の低下とともに血清クレアチニンの値は高くなるため、腎臓の排泄能力の指標として有用。
  • 6 アルブミン:血清中のタンパク質(総タンパク)は単一の成分であるアルブミンとそれ以外のグロブリンと総称される蛋白からなり、血液浸透圧の維持や生体の防御機構などに関与している。アルブミンは総タンパクの約60%を占めており、血液の浸透圧調整や、アミノ酸・脂肪酸・ホルモン等と結合して、これらの体内輸送を担っている。アルブミンは肝臓で合成されるため、血液検査では肝機能の指標として利用されている。
  • 7 QMS:品質マネジメントシステム(Quality Management System)は、製造物や提供されるサービスの品質を管理監督するシステムのこと。日本では、体外診断用医薬品を含む医療機器に係るISO13485の一部適用除外や薬機法(旧薬事法)との整合が図られた省令(QMS省令)が、医療機器の承認・認証要件として適用されている。

カイノスの生産拠点「笠間事業所」

カイノスの生産拠点である笠間事業所は、茨城県笠間市の笠間西工業団地内にあります。その敷地面積は20,633㎡、建物面積は4,821㎡で、笠間工場のほか、研究所及び配送センターも併設されています。

元々製造拠点は、静岡県の別会社の工場を借りていましたが、事業が拡大していくにつれて手狭になってきました。そこで、首都圏近辺で新しい生産拠点への進出を計画したところ、北関東自動車道路が全線開通予定で、インター側という交通インフラが整う立地条件に加え、笠間市が工場誘致に非常に熱心だったことにより1993年(平成5年)笠間市に工場を新設し、生産拠点を全面移転しました。

笠間工場設立時は、静岡及び東京本社の従業員だけでなく、地元高校卒業生やパートを採用してスタートしました。今年で笠間工場が設立して24年経過しますが、設立当初から定年まで働き続けるパートがいるほど、働きやすい職場環境が構築されています。

また、地域とのつながりを大切にしており、地元中学校の工場見学への対応や地元高校生及びパートの継続採用、また大学生のインターンシップ受入れ等、地域に根付いた工場として高い認知度を誇っています。

笠間工場全容図

先駆者として更なる発展を目指す

カイノスのロゴマークは「ブドウ」です。

これは、旧約聖書のことわざ「新しいブドウ酒を古い革袋に入れるな」から用いられており、新しい思想や内容を実現するためには、それにふさわしい体制が必要であるということを意味しています。

医療技術は日進月歩であり、体外診断用医薬品を含む臨床検査分野の進化も一段と進展すると考えています。今後の医療では、予防医学、即ち未病の状態を維持する事が重要視され、例えば、治療薬が個人に有効か鑑別する、投薬・治療の判断基準となる遺伝子検査や、血中タンパク等で治療方針を決定し得る効能のある、コンパニオン診断薬に似たような臨床検査試薬を手掛けていきたいと考えています。一方で、現存の内臓系検査試薬も当面必要度合いは変わらず、カイノスでは、このような検査ニーズに対応するため、コア技術を活かし、ぶれることなく研究開発に注力し、既存の事業をより太い幹に育てていく方針です。

会社概要

株式会社カイノス

代表取締役社長 上地 史朗 氏

所 在 地
(本社)東京都文京区本郷二丁目38番18号
(笠間工場)茨城県笠間市稲田字弥六内3番5
業  種
体外診断用医薬品、医療機器等の製造販売業
従業員数
159名(平成29年10月1日現在)
代表取締役社長
上地 史朗
連 絡 先
(本社)03-3816-4123
(笠間工場)0296-74-4811
U R L
http://www.kainos.co.jp/

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