淡路技建株式会社

目に見えない工夫が詰まった高付加価値な“床”で快適な住環境を支える

創業者は淡路島出身

淡路技建株式会社(以下、淡路技建)は、1984年(昭和59年)、乾式遮音二重床の製造販売業として、現会長の実父である梯鉄也(かけはし てつや)氏が設立しました。

創業者の梯氏は兵庫県の淡路島出身で、元々フローリングメーカーの研究所に勤務し、二重床の研究開発に従事していました。淡路技建の創業時である昭和50年代後半は、東京都内において公団住宅の建設ラッシュ時期であり、梯氏は茨城県牛久市にある自宅に事務所を構え、都内の建材商社並びに床施工代理店をターゲットに乾式遮音二重床を販売してきました。

その後、1997年(平成9年)、都内の取引先に対する営業強化と高精度な情報を収集する機関として東京営業所を開設し、1999年(平成11年)には、量産型の製品を組み立てるアッセンブル工場として現本社所在地に工場を新設しました。

淡路技建の事業は順調に拡大し、2001年(平成13年)には茨城県牛久市に第二工場、2004年(平成16年)につくば新工場を新設するまでに成長しています。

牛久本社

乾式遮音二重床のパイオニア

第二次世界大戦後以降、日本人の生活様式の変換に伴い、床材は畳からフローリングに変遷し、住宅は集合住宅の建設が相次ぎました。従来のフローリングは、コンクリート基礎に直接設置する直貼工法が主流であったため、スプーンを落とす音さえも苦情になるほど、上下階の騒音が問題となっていました。また、配管や配線をコンクリート基礎に埋め込んでいたため、リフォームやメンテナンスを行う際には、床を剥がしてコンクリートから配管や配線を取り出さなければならず、作業には膨大な時間と労力を要していました。

淡路技建の主力商品である「乾式遮音二重床」は、床衝撃音等を軽減する遮音性と、コンクリートと乾式遮音二重床との間に空間を設置することで、冷えや湿気を防ぐだけでなく、配管・配線を自由に通すことができる施工性とメンテナンス性を持ち合わせています。この直貼工法の問題点を解決する乾式遮音二重床は、都市基盤整備公団機材の品質判定基準の合格品として認定を受けており、高品質商品として知られています。

人と環境にやさしい「プレフロアー」

淡路技建の主力商品である乾式遮音二重床は、商品名「プレフロアー」として集合住宅や店舗、事務所等の床材として幅広く使用されています。

プレフロアーの名前の由来は、床仕上げ材を施工する前の床下地を意味する「Pre(前もって)」+「Floor(床)」で、防振ゴム付のアジャスターにより床を水平に作りあげ、歩きやすく疲れにくい弾力性を有しています。

この防振ゴムは、淡路技建の長年の経験と研究から編み出された「TPSテクノロジー」により、遮音性能に加えて耐荷重性能を持ち合わせており、小さい子供や高齢者が転倒した際には、防振ゴムが床全体を上下振動させることで衝撃力を緩和させています。淡路技建では、遮音性能試験や、耐久試験、耐震試験等の各種試験を実施することで、プレフロアーの特徴である高い遮音性能と耐荷重性能を“見える化”し、お客様に安全安心な製品を供給しています。

また、施工性の更なる改善を図るため、着脱式補強アジャスターを開発し、次世代型床先行工法「DFP工法(Detachable Floor Precedence)」を生み出しました。このDFP工法は、リフォームの際、間仕切り壁の変更を容易にすることで、床工事費の削減や工期短縮を可能にしています。

淡路技建では、環境面にも配慮した製品や工法も研究開発しています。

プレフロアーのベースパネルに使用されているパーティクルボード1は、木質系廃材をチップ状に粉砕して固めたリサイクル品です。淡路技建では、環境省から二重床業界で初めて「広域認定制度」2の認証を取得し、建築現場で発生したプロフロアーの残材を、淡路技建が回収・リサイクルする自社製造販売商品の循環システムを構築しています。

また、プレフロアーの施工によって発生する、パーティクルボードの端材を現場で再利用するエコステップ工法を生み出しました。この工法は、廃材の処理費や運搬費の削減、廃棄処理過程で発生するCO2の排出量抑制が図られる等、地球にやさしい工法です。

このように、淡路技建が供給する「床」には、利用する「人」に加え、「環境」への想いが詰め込まれています。

  • 1 パーティクルボード:木材の小片を接着剤と混合し熱圧成型した木質ボードの一種。
  • 2 広域認定制度:廃棄物となった製品の処理を製造事業者等が広域的に行うことで、当該廃棄物の減量や適正な処理が確保されることを目的とし、地方公共団体ごとの許可を不要とする環境省認定の特例制度

先駆者として更なる発展を目指す

少子高齢化が進行する日本において、国立社会保障・人口問題研究所によれば、2053年(平成65年)に、人口は1億人を下回り、生産年齢(15~64歳)人口は減少、老齢(65歳以上)人口は増加していくと推計されています。

人口減少に伴い、今以上の核家族化と少子化の進行によるマンション等集合住宅の需要減少や、高齢化社会の進展によるサービス付き高齢者住宅や介護施設の需要増加等により、淡路技建を取り巻く経営環境は、大きく変化していくものと予想されます。

そのような状況下にあって、淡路技建では、意思決定の迅速化と同業者との連携を強化するため、今年の4月に社長を交代しました。事業承継は、現在の日本企業が抱える課題の一つであり、その重要性を認識しつつも、実行に移すことができる企業は多くありません。中小企業白書(経済産業省)によると、事業承継に成功を収めた企業は、計画的、積極的な新事業展開を図ることで、経常利益率が上昇している割合が多いとあります。淡路技建においても、社長交代を契機として、プレフロアーの改良等による主力製品の高付加価値化、他社との商品差別化を進めることで、市場における自社製品のシェア拡大が期待されます。また、建設部の創設により自社施工の割合を増やすことで、従来の事業領域とは異なるジャンルへの進出も期待されます。

時代が変わっても、住環境は人の生活を支える必要不可欠なものであり、将来性は無限の可能性を秘めています。これからも、普段は目に見えなくともアイディアが詰まった高付加価値な製品を生み出すことで、淡路技建が更なる発展を遂げられることを切に願います。

会社概要

淡路技建株式会社

代表取締役社長 営業本部長 川上 雅文 氏

所 在 地
(本社)茨城県牛久市栄町6-365-4
(東京支店)東京都千代田区岩本町3-7-2 スヂノビル6階
業  種
建材製造販売、施工業
従業員数
30名
代表取締役社長
営業本部長
川上 雅文
連 絡 先
(本社)029-873-4702
(東京支店)03-5822-5271
U R L
http://www.awaji-giken.co.jp/

トップインタビュー

県内の企業の経営者のお話しが閲覧できるトップインタビューはこちら

Think&Act

県内の大学や研究機関に在籍する新進気鋭の研究者の研究成果を事業化の視点で紹介します。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

このページのトップ